園子先生のひとり言

2017.04.15更新

このところ、身の回りで"除菌”とか”抗菌”とか「菌」という字をやたらと目にするような気がします。

食器、衣類、家具等々・・先日買ったスーツケースも持ち手に抗菌加工がされています。

 

実際に目に見えないだけで、私たちの周囲には無数の「細菌」が常に存在しています。

それだけでなく、私達の体にもたくさんの「細菌」が住み着いています。

口の中にはおよそ1000億個、皮膚表面にはおよそ100万個、そして腸の中にはなんと100兆個もの細菌が常在しているといいます。

ヒトの体を構成する細胞の数が全部で約60兆個なので、その数より多いということはある意味私達は細菌で出来ているともいえます。

 

腸内フローラとか口内フローラ(フローラ=お花畑)なんておしゃれな呼び方が流行っていますが、それはたまたま腸や口の中の細菌を染色してみたらお花畑みたいにきれいに色分けされただけで、実際は丸いのや線状の細菌がうじゃうじゃいるわけですgan

 

しかし、もともと母親の子宮の中に細菌はいないので胎児の時期は無菌的に育ちます。

それが、生まれ落ちた瞬間、もっと言えば子宮を出て産道を通った瞬間から様々な細菌を「獲得」していくことになります。 

そして、獲得した様々な細菌がフローラとして「定着」するのに口の中では3年ほどかかり、一度定着した細菌の割合はその後ほとんど変わらないのだというようなことをはるか昔(笑)大学の講義で習いました。だから、生後3年位まで口の中の環境を整えておくことが非常に大切だということでした。

 

口の中で3年ですから、腸の中もだいたい同じくらいなのではないでしょうか。

まさに「三つ子の魂百まで」ということですねni

 

ですから、特に3歳くらいまでは、体によいいわゆる「善玉菌」は積極的に取り入れて、体に悪いとされる「悪玉菌」はなるべく排除する、というのが正しい菌活のように思えます・・

 

しかし、無数の細菌のうちどれが善玉でどれが悪玉かまだまだ分かっていない部分も多く、悪玉菌と接してそれを排除することによって「免疫機能」の獲得も行われるので、何でもかんでも除菌だ抗菌だとするのも必ずしも良いことでもないようです。

幼少期に指しゃぶりをした子供のほうが丈夫に育つ、ということも聞きますが、指から雑菌に触れるということで免疫力がアップするわけです。

 

また、フローラの中でも善玉だけでなく悪玉も存在することで善玉の機能がより発揮されるということもあるようです。人間社会と同じですね・・

 

まだまだ未知の部分が多い「細菌」の世界。大人になってしまってからフローラを作り変えることは難しいようですが、善玉菌の活動性をアップする食べ物などを積極的に摂ることは効果があります。継続しないとダメですけど・・

 

そのうち、健康長寿のお年寄りの腸内フローラ入りの赤ちゃん用ミルクなんかができそうな気がしますihi

 

長くなってしまったので、もうちょっと具体的な菌活についてはまた改めて書いて見ようと思います。

↓菌とは関係ありませんが、フローラつながりで清水公園の満開の桜の写真ですflower

お花見に行きそびれた方、どうぞnico

清水公園 桜

 

投稿者: 山本歯科診療所

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