園子先生のひとり言

2017.04.22更新

細菌と人との関わりについて、引き続きより歯科的な話をしましょうni

 

口内フローラはだいたい3歳ころ出来上がり、いったん出来上がるとあまりその構成を変えないのだという話を前回しました。

よく言う「体質」(口内炎ができやすいとか、虫歯になりやすいとか・・)の多くは、おそらくこの時期決定したフローラ内の菌の種類や活性度、数の比率が原因なのだろうと思われます。

 

なので、まずは最初に獲得するフローラをなるべく良質なものにする!ことが重要です。

 

しかし、3歳の子供は自分の口内フローラのことなんか考えちゃいないので、周囲の大人が考えてあげなければいけません。

まだまだ個々の細菌の役割には解明されていないことも多いのですが、虫歯菌や歯周病菌の悪性度の高いものを子供のフローラに定着させないようにするなら

まず

・甘いもの(ショ糖)を控えるdonut =  虫歯菌の活性を抑える

・正しい歯磨きを習慣づけるtooth  =  菌の数を増やさない

 

この辺は以前から言われていて保護者の方にもだいぶ浸透してきているようです。

さらに、虫歯菌も歯周病菌も周囲の大人から子供に「移る」ので、口移しで子供に食べ物を与えたり、食器を共有したりしないことですmeal

そして、周囲の大人の方々は虫歯や歯周病があったら速やかに治療を受けるべきです。

治療を受けることで、菌の数を減らし、活性度を下げることができ、「イキのいい」菌を子供に移してしまうリスクを下げることができます。

 

もっと言えば、子供を作る前に両親とも虫歯、歯周病の治療を受けておくべきです。

特に女性が歯周病で妊娠した場合、早産のリスクが高くなるというデータもあります。重度の歯周病の場合、歯周病菌が血管内に入り全身を巡っている可能性があるので胎児へも悪影響を与えることが十分に考えられますので。

 

こうして、周囲の大人の努力で良質の口内フローラを獲得できればその子は「虫歯や歯周病になりにくい」幸せな人生を送ることができる、はずですtoothglitter

 

 

では、すでに口内フローラが完成してしまっている私達大人は、どんな菌活をすればよいでしょうかgan・・?

 

すでにできてしまった虫歯や歯周病を菌活で「治す」ことはできません。歯科医院で治療しましょう。

 

ただ、虫歯菌や歯周病菌の活動を抑制する効果がある、という画期的な乳酸菌「L8020菌」というのが発見されすでにマウスウォッシュやタブレット、ヨーグルトなどに商品化もされています。

こういう物を継続して使ったり摂取することで、虫歯や歯周病になりにくくなることは大いに期待できます。

継続しなければだめですし、油断して毎日の歯磨き、定期的な歯科医院でのチェックを怠らない!事が大事ですが・・

 

目には見えない「菌」。私達、歯科医師の仕事はいわばこれらの菌との戦いです。

今後、「菌」についての研究が進むと、歯科医療そのものも大きく変わる、かも知れませんni

 

投稿者: 山本歯科診療所

2017.04.15更新

このところ、身の回りで"除菌”とか”抗菌”とか「菌」という字をやたらと目にするような気がします。

食器、衣類、家具等々・・先日買ったスーツケースも持ち手に抗菌加工がされています。

 

実際に目に見えないだけで、私たちの周囲には無数の「細菌」が常に存在しています。

それだけでなく、私達の体にもたくさんの「細菌」が住み着いています。

口の中にはおよそ1000億個、皮膚表面にはおよそ100万個、そして腸の中にはなんと100兆個もの細菌が常在しているといいます。

ヒトの体を構成する細胞の数が全部で約60兆個なので、その数より多いということはある意味私達は細菌で出来ているともいえます。

 

腸内フローラとか口内フローラ(フローラ=お花畑)なんておしゃれな呼び方が流行っていますが、それはたまたま腸や口の中の細菌を染色してみたらお花畑みたいにきれいに色分けされただけで、実際は丸いのや線状の細菌がうじゃうじゃいるわけですgan

 

しかし、もともと母親の子宮の中に細菌はいないので胎児の時期は無菌的に育ちます。

それが、生まれ落ちた瞬間、もっと言えば子宮を出て産道を通った瞬間から様々な細菌を「獲得」していくことになります。 

そして、獲得した様々な細菌がフローラとして「定着」するのに口の中では3年ほどかかり、一度定着した細菌の割合はその後ほとんど変わらないのだというようなことをはるか昔(笑)大学の講義で習いました。だから、生後3年位まで口の中の環境を整えておくことが非常に大切だということでした。

 

口の中で3年ですから、腸の中もだいたい同じくらいなのではないでしょうか。

まさに「三つ子の魂百まで」ということですねni

 

ですから、特に3歳くらいまでは、体によいいわゆる「善玉菌」は積極的に取り入れて、体に悪いとされる「悪玉菌」はなるべく排除する、というのが正しい菌活のように思えます・・

 

しかし、無数の細菌のうちどれが善玉でどれが悪玉かまだまだ分かっていない部分も多く、悪玉菌と接してそれを排除することによって「免疫機能」の獲得も行われるので、何でもかんでも除菌だ抗菌だとするのも必ずしも良いことでもないようです。

幼少期に指しゃぶりをした子供のほうが丈夫に育つ、ということも聞きますが、指から雑菌に触れるということで免疫力がアップするわけです。

 

また、フローラの中でも善玉だけでなく悪玉も存在することで善玉の機能がより発揮されるということもあるようです。人間社会と同じですね・・

 

まだまだ未知の部分が多い「細菌」の世界。大人になってしまってからフローラを作り変えることは難しいようですが、善玉菌の活動性をアップする食べ物などを積極的に摂ることは効果があります。継続しないとダメですけど・・

 

そのうち、健康長寿のお年寄りの腸内フローラ入りの赤ちゃん用ミルクなんかができそうな気がしますihi

 

長くなってしまったので、もうちょっと具体的な菌活についてはまた改めて書いて見ようと思います。

↓菌とは関係ありませんが、フローラつながりで清水公園の満開の桜の写真ですflower

お花見に行きそびれた方、どうぞnico

清水公園 桜

 

投稿者: 山本歯科診療所

2017.04.06更新

診療所玄関に置いてあるクンシランが見事に咲きました。

クンシラン

2年位前に株分けをしてもらったら、その後花がつかなくなってしまい心配していたのですが、今年はきれいに咲いてくれましたflower

自宅の玄関に置いてある親株の方も大きなつぼみがついてまもなく咲きそうです。

左の鉢の根元のカネノナルキも元気です。

 

クンシランの花言葉は「高貴」「誠実」。

満開の花をつけているそのたたずまいは、そんな花言葉がぴったりです。

そのわきに、「一攫千金」「富」「幸運を招く」「不老長寿」が花言葉のカネノナルキ・・・

なんだか植え替えるのが惜しくなるような最強のコラボレーションだと思いませんかnico

 

投稿者: 山本歯科診療所

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